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スイスの鹿革ブランド、チェルボボランテとコラボした、オリス「ビッグクラウン ポインターデイト」

オリスとチェルボボランテのコラボの始まりは、3種類のビッグクラウンポインターデイトだ。アルプスの自然からインスパイアされた色のグラデーションを施したダイアルに、サステナブルな鹿革のストラップをセットした。同じ鹿革で作ったポーチとカードケースが付属する。

毎年約1万5千頭駆除されているスイスの鹿

スイスでは野生の鹿が毎年約1万5千頭駆除されている。これは野生鹿の個体数を調節してスイスの自然を守るために行われている法的措置だ。長年、駆除された鹿は廃棄物として処理されていたが、4年前に二人の起業家が、それを資源として有効利用する事業を起こした。

 2017年、バイオテクノロジーのエンジニアとしてビジネス経験を積んだカドリ・ブンダー・フォンタナと、自然保護と野生生物管理を専門とする生物学者のコニー・ティエル‐エジェンターの二人がチェルボボランテ(ラテン語でクワガタ)を立ち上げたのだ。2人は廃棄されていた鹿の革を有効利用して美しくて丈夫な靴や小物をつくろうと思い立ち、またその事業はすぐに発展した。

 オリスの「より良い変革をもたらす」ための取り組みについて知った二人は、昨年サステナブルな鹿革を使ったコラボレーションを提案し、オリスはそれを歓迎した。


オリスとチェルボボランテのコラボレーション

オリスとチェルボボランテのコラボの始まりは、3 種類のビッグクラウンポインターデイトだ。アルプスの自然からインスパイアされた色のグラデーションを施したダイアルに、サステナブルな鹿革のストラップをセットした。同じ鹿革で作ったポーチとカードケースが付属する。限定モデルではなく、これからもチェルボボランテとの取り組みは続く予定だ。


ビッグクラウンxチェルボボランテ 3種

野生の赤鹿の革は大量生産のものと違って、ひとつひとつに個性があり、それぞれの物語がある。擦り傷、切り傷、打撲の跡などが独特の魅力になるのだ。動物を人工的に繁殖させたり飼育したりしないので、自然に負荷を与えない。スイスに残る2 か所の鞣し工場で、クロムなどの化学物質を使わないタンニン鞣しで処理されている。チェルボボランテが使わなければ廃棄物として焼却されてしまう素材なのだ。


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また自分たちの時計を欲してくれるお客様を見つけるコミュニケーション能力も必要です。

そのためには利益を生むビジネスにしなければなりません。利益なくして未来はないのです。また自分たちの時計を欲してくれるお客様を見つけるコミュニケーション能力も必要です。広告をたくさん出したり、ブランドアンバサダーを起用したりする会社もあります。いろいろな方法があると思いますが、私はこれまで個展を開くことしかしてきませんでした。それが私のできる範囲のマーケティングだったからです。私の生産量は少ないので、ひと握りの顧客を見つけるために大きな広告を打つ必要がなかったのです。

ウルバン・ヤーゲンセンの場合はまた違うアプローチが必要になるでしょう。どうやって顧客を見つけるのか、どうやって伝えるのがいちばん効率的なのかを今後考えなければなりません。

最近聞いた話では、ご自身のブランドの時計の年間生産能力は65~75本とのことでしたが、ウルバン・ヤーゲンセンの場合は当然それ以上の生産能力があると思います。ウルバン・ヤーゲンセンでは年間どれくらいの数の時計を生産を見込んでいますか?

その潜在能力はもっともっと大きいと考えています。昨年、私の工房では1万6000点の部品を使って67本の時計を仕上げました。私の工房には30人のスタッフがいます。しかし私たちは手作業で部品を仕上げています。私は自分たちがやっていることを“現代の工芸的時計(contemporary artisanal watch)”と呼んでいます。現代の工作機械を使って時計を作りますが、それを手作業で仕上げるのです。

ウルバン・ヤーゲンセンでは昔からやっていることなので多少の外注は可能ですが、私の工房ではヒゲゼンマイ、主ゼンマイ、受け石以外はすべて自分たちでやっています。いちばんの目的は生産本数ではなく、同じ品質できちんとやることです。すべてのバランスが均衡することこそが大切だと考えています。

カリ氏の娘であるヴェンラ・ヴティライネン(Venla Voutilainen)氏も同じく時計職人である。

あなたの娘さんはウルバン・ヤーゲンセンの業務の一部を手伝っていますね。彼女は何を担当しているのですか?

私の娘は時計職人です。この2年間はシンガポールのアワーグラスで働いていました。今は戻ってきてウルバン・ヤーゲンセンのアフターサービス部門を担当しています。よく知っていて、信頼できる人と一緒に仕事ができるのはすばらしいことですね。本当にそう思います。

あなたは複数の会社の経営やウルバン・ヤーゲンセンの買収で多忙を極めていらっしゃいますが、余暇は何をして過ごしていますか?

主にスポーツをして過ごしています。ハイキング、スキー、自転車などです。家族と一緒に過ごすのも好きです。クロスカントリーやダウンヒルスキーを楽しんでいます。休暇で海に行くよりは山に行ってハイキングするのが好きですね。そういえば去年の夏、息子とフィンランドに行ってヘルシンキからラップランドまで950kmを自転車で1週間かけて走破しましたよ。

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今日の時計製造は“漸進的な改善”によって定義されていると記事に書いたが、まさにその通りだ。

読者の皆さんも、さまざまな理由でさまざまな工夫をしている時計メーカーや企業をご存じかもしれない。スウォッチグループが最近ETA2824を本来の振動数である4Hzから3Hzにロービート化し、最大80時間ものパワーリザーブを稼ぐことに成功したのは有名な話だ。オメガの時計職人はコーアクシャル脱進機を何年もかけて改良した後、この脱進機と組み合わせるのに最も適した振動数は、2万5200振動/時という一般的とは言えないレートであると導き出した。

時代が進むにつれ、より高い振動数のムーブメントを採用する時計メーカーが増えてきている。オメガ スピードマスター最近では2万8800振動/時、つまり4Hzが標準とされているが、50年前のセイコーでは同じ振動数を“ハイビート”と称していた。

ジャックは先日、今日の時計製造は“漸進的な改善”によって定義されていると記事に書いたが、まさにその通りだ。しかし、“漸進的”な成長以上のものが見られたと言えるのは、特定の素材の普及によってハイビートムーブメントの民主化が進んだことだ。ある企業が5Hzの性能を実現したいと思えば、これまで以上に簡単に実現することができるのだ。

さて、表題の疑問については一概に答えることはできない。時計の振動数は方程式の一部に過ぎないからだ。古き良き時代のクラフトマンシップに引かれ、プロの時計職人が手作業で調整した時計を愛用するタイプのコレクターはロービートで作動する時計を好むだろう。一方で現代の時計技術の革新性に興味がある愛好家にはハイビートのムーブメントが適しているだろう。


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