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また自分たちの時計を欲してくれるお客様を見つけるコミュニケーション能力も必要です。

そのためには利益を生むビジネスにしなければなりません。利益なくして未来はないのです。また自分たちの時計を欲してくれるお客様を見つけるコミュニケーション能力も必要です。広告をたくさん出したり、ブランドアンバサダーを起用したりする会社もあります。いろいろな方法があると思いますが、私はこれまで個展を開くことしかしてきませんでした。それが私のできる範囲のマーケティングだったからです。私の生産量は少ないので、ひと握りの顧客を見つけるために大きな広告を打つ必要がなかったのです。

ウルバン・ヤーゲンセンの場合はまた違うアプローチが必要になるでしょう。どうやって顧客を見つけるのか、どうやって伝えるのがいちばん効率的なのかを今後考えなければなりません。

最近聞いた話では、ご自身のブランドの時計の年間生産能力は65~75本とのことでしたが、ウルバン・ヤーゲンセンの場合は当然それ以上の生産能力があると思います。ウルバン・ヤーゲンセンでは年間どれくらいの数の時計を生産を見込んでいますか?

その潜在能力はもっともっと大きいと考えています。昨年、私の工房では1万6000点の部品を使って67本の時計を仕上げました。私の工房には30人のスタッフがいます。しかし私たちは手作業で部品を仕上げています。私は自分たちがやっていることを“現代の工芸的時計(contemporary artisanal watch)”と呼んでいます。現代の工作機械を使って時計を作りますが、それを手作業で仕上げるのです。

ウルバン・ヤーゲンセンでは昔からやっていることなので多少の外注は可能ですが、私の工房ではヒゲゼンマイ、主ゼンマイ、受け石以外はすべて自分たちでやっています。いちばんの目的は生産本数ではなく、同じ品質できちんとやることです。すべてのバランスが均衡することこそが大切だと考えています。

カリ氏の娘であるヴェンラ・ヴティライネン(Venla Voutilainen)氏も同じく時計職人である。

あなたの娘さんはウルバン・ヤーゲンセンの業務の一部を手伝っていますね。彼女は何を担当しているのですか?

私の娘は時計職人です。この2年間はシンガポールのアワーグラスで働いていました。今は戻ってきてウルバン・ヤーゲンセンのアフターサービス部門を担当しています。よく知っていて、信頼できる人と一緒に仕事ができるのはすばらしいことですね。本当にそう思います。

あなたは複数の会社の経営やウルバン・ヤーゲンセンの買収で多忙を極めていらっしゃいますが、余暇は何をして過ごしていますか?

主にスポーツをして過ごしています。ハイキング、スキー、自転車などです。家族と一緒に過ごすのも好きです。クロスカントリーやダウンヒルスキーを楽しんでいます。休暇で海に行くよりは山に行ってハイキングするのが好きですね。そういえば去年の夏、息子とフィンランドに行ってヘルシンキからラップランドまで950kmを自転車で1週間かけて走破しましたよ。

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